「記事を更新したのに公開されない!」から学ぶ固定ワークフローの自動化
ベテランエンジニアでも起こす「コミット忘れ」。実際の失敗談から、なぜ固定ワークフローをコマンド化すべきなのか、その本質的な価値を解説します。
「記事を更新したのに公開されない!」から学ぶ固定ワークフローの自動化
今日起きた、恥ずかしい失敗
「よし、記事を大幅に改善したから公開しよう!」
インデックスを更新して、git pushして、キャッシュもクリア。完璧だ。
...10分後。
「あれ?サイトが更新されてない...なんで?」
調べてみると、なんと記事ファイル自体のコミットを忘れていた。インデックスだけコミットして、肝心の記事はコミットしていなかったのです。
誰もが経験する「当たり前」の抜け漏れ
この失敗、笑い話のようですが、実は多くの開発者が経験しています:
- テストは通したけどビルドし忘れた
- 環境変数を更新したけどデプロイし忘れた
- ドキュメントは書いたけどコミットし忘れた
- マイグレーションファイルを作ったけど実行し忘れた
どれも「やるべきことは分かっている」のに、つい忘れてしまう。
なぜ人間は「分かっているミス」をするのか
1. マルチタスクの罠
- 記事を更新しながら、以下のことを同時に考えていました:
- 内容は読者に伝わるか
- 文章は自然か
- JSONフォーマットは正しいか
- インデックス更新も必要だな
頭がコンテンツに集中していると、「git add」という単純な作業を忘れてしまうのです。
2. 慣れによる油断
「いつもやっているから大丈夫」という過信が、最も基本的なステップを飛ばしてしまう原因になります。
3. 部分的な成功による錯覚
インデックスの更新とpushは成功していたため、「すべて完了した」と脳が勘違いしてしまいました。
解決策:固定ワークフローのコマンド化
Before:人間が覚えておく必要がある手順
# 1. 記事を更新
# 2. git add tips/articles/記事.json ← 忘れがち!
# 3. git commit -m "fix: 記事を更新"
# 4. ./update-index.sh
# 5. git add tips/index.json
# 6. git commit -m "fix: インデックスを更新"
# 7. git push
# 8. ./clear-cache.sh
- 8つのステップ。どれか1つでも忘れたら、意図した結果になりません。
After:コマンド1つで完了
# 「公開して」と言うだけ
- AIが内部で実行:
- git statusで未コミットファイルを検出
- 必要なファイルをすべてコミット
- 適切なコミットメッセージを生成
- push実行
- キャッシュクリア
- 結果を報告
実例:今日作った /publish
コマンド
# コマンド名
/publish
# 実行内容
1. git statusで状態確認
→ 未コミットがあれば警告
2. git push実行
3. キャッシュクリア実行
4. 完了報告(URLも含む)
このコマンドがあれば、今日の失敗は防げました。
コマンド化がもたらす3つの価値
1. ミスの防止(最重要)
人間は必ずミスをします。それを前提とした仕組みが必要です。
2. 認知負荷の軽減
「次は何だっけ?」と考える必要がなくなり、本来の作業に集中できます。
3. 品質の均一化
誰が実行しても、いつ実行しても、同じ品質の結果が得られます。
すぐに始められる自動化の例
日次作業
# morning-routine.sh
#!/bin/bash
git pull
npm install
npm run test
echo "✅ 朝の準備完了!"
デプロイ前チェック
# pre-deploy.sh
#!/bin/bash
npm run lint || exit 1
npm run test || exit 1
npm run build || exit 1
echo "✅ デプロイ準備OK!"
PR作成
# create-pr.sh
#!/bin/bash
git push -u origin $(git branch --show-current)
gh pr create --fill
よくある反論と回答
「そんな簡単なこと、忘れるわけない」
→ 今日の私がまさにそれを証明しました。経験年数は関係ありません。
「自動化するほどでもない」
→ 1日1分の作業でも、年間365分。それがミスなく実行される価値は計り知れません。
「柔軟性が失われる」
→ コマンドは「デフォルトの手順」です。必要なら手動で実行すればいいのです。
ベテランほど自動化にこだわる理由
ベテランエンジニアが些細なことまで自動化するのは、「自分もミスをする」ことを知っているからです。
- 新人:「覚えておけば大丈夫」
- 中堅:「チェックリストを作ろう」
- ベテラン:「人間を信用せず、仕組みで解決しよう」
まとめ:小さな自動化の大きな価値
今日の「コミット忘れ」は、固定ワークフローを自動化する価値を改めて教えてくれました。
- 重要なのは:
- 人間は必ずミスをするという前提に立つ
- 繰り返す作業は必ず自動化する
- 小さな自動化の積み重ねが大きな価値を生む
あなたも、毎日繰り返している作業を1つ、自動化してみませんか?
それは「git add を忘れない」という単純なことかもしれません。でも、その小さな一歩が、大きな安心感と効率化をもたらすのです。